浜松市西区にお住まいの小学生、中学生と保護者のみなさまこんにちは。西区大平台の個別指導の塾、松陰塾 浜松大平台校、塾長の吉田です。
10月に入りました。受験生のみなさんはそろそろ意識も高まってきたころかと思います。中学受験のみなさんは年明け早々、1月から試験ですし、高校受験も2月月初に私立入試があります。さらに言えば県外で推薦を含むスポーツ受験をする生徒さんはもう試験が始まっているところもあるかと思います。
そんな中、静岡県の中学3年生たちは二学期の内申点確保、そして高校受験当日に向けて勉強をがんばっていると思いますが、夏休み前後から『裁量枠』という言葉を耳にしたり、または自分が声をかけられているなんて中3生も少なくないのではないでしょうか。『裁量枠』『裁量枠受験』『学校裁量枠』言葉を初めて聞いたという中学生、保護者様もいると思いますので、そんなみなさま向けにこの裁量枠での受験を受けるべきか、それとも避けるべきか、私なりの考えをまとめたいと思います。あくまで一個人の意見ですので、『こんな考えもある』程度で読んでいただければと思います。
学校裁量枠とは、学校（高校）側がほしい生徒像を提示し、その条件に合う受験生たちが通常の入学選抜試験の枠とは別で合否の枠を競う選抜方法で、推薦入試がない静岡県の公立高校においては推薦に近い入試方法と考えられるものです。（厳密には合格可能性等も含めて異なる点が多いです）
学校によって出される条件はいろいろで、一つの高校で複数の裁量枠条件が設定されているケースも多いです。なかでも多いのは、部活や学校外のクラブ所属などの運動系の活動を活かした裁量枠での受験であると思います。そしてこのパターンの中でさらに多くは、高校側や所属するクラブなどから情報や声掛けがあって、裁量枠で〇〇高校を受けてみないか、というパターンかと思います。
今回私が一番『ちょっと待って！良く考えて』と言いたいのがまさにこのパターンです。中学の先生から考えてみない？と言われるパターンはまだ大丈夫かと思うのですが、あくまで高校側や所属するクラブのコーチ、監督などからの声掛けの時には一度良く考えてみてほしいです。なぜならこういった方々はあくまでその競技においての本人の活躍のみを考慮してくれているのであり、学業の成績については考慮していない（知らない）ケースがほとんどであると思われるからです。
こういった、いわゆる『声掛け』をもらった時、多くの生徒さんや保護者様は間違いなく嬉しく感じると思います。それまでがんばってきた成果を認めてもらえた、将来性を期待してもらえている、と考えるでしょう。その事自体はとても素晴らしいことだし、声をかけてくれた先生やコーチの皆さんも実際にそう思って声をかけてくれたものと思います。
ですが良く考えてみてほしいのは、その『声掛け』に応えて『裁量枠』で無事高校に入学できたとして、その学校の学力レベルについていけますか？また、高校三年間をそのスポーツや部活動に費やして、その先に続く道がありますか？
可能性として多いのは、裁量枠で入学して部活に入って、部活では活躍できているものの勉強に全く追いつけない、赤点をとってしまう、なんていう場合です。高校での部活動は多くの場合、中学でのそれの比ではないくらい厳しく大変で、また忙しいものでしょう。そしてこれも多くの場合、中学より通学時間も長くかかるはずです。それほど厳しい部活の練習を続け、通学時間もかかり、勉強もしなければならないその状況で、入学時点でついていけないレベルの学力の学校についていけますか？最低でも取らなければいけない点数のラインはありますから、その点に満たなければ部活ができないどころか、進級も卒業もできない・・・、なんてこともあるかもしれません。
また高校三年間の次は大学・専門学校への進学や就職が待っています。その活動に三年間せいいっぱい打ち込んで、さらに先に続く道はあるでしょうか？これも多くの場合は、プロスポーツ選手にでもならない限り、その先に続いていくものではないと思います。大半の人は、高校生までスポーツで活躍しても後々将来の役にたつことはなく、あえてひどい言い方をすれば、あくまで自己満足と過去の栄光・・・、なんて見方もできてしまいます。（本当にひどい言い方ですみません、本当はそんな風には思ってません。私自身も高校三年間、運動部に打ち込んでおりました）
ということで実際のところ私は塾生に対して、裁量枠での受験はオススメできないことの方が多かったです。では裁量枠なんてなければいいじゃん、となりがちですがそんなことはありません。裁量枠での受験を安心してオススメできるパターンとしては、
①その活動を高校の先、将来的に続けられる見込みがあること、
②活動を続けながらその学校で平均程度の成績をとれる学力を持っていること、
③先のことよりも高校三年間その活動に打ち込みたいという何より優先する情熱があること、
④その活動自体が別の次の道へ繋がっていること（部活動の結果で大学推薦がもらえる、等）
この辺りがクリアできていれば裁量枠に全力で臨むことができるでしょう。①〜④のどれか一つでもクリアならば、裁量枠での受験は大いに受ける意味があると思います。
いかがだったでしょうか。裁量枠という言葉自体初めて聞いた方、知ってはいたけどデメリットがわからず二の足を踏んでいる状態の方、誰にでもオススメできるわけではありませんが、条件がクリアできる方にとっては確実に高校受験で有利になります。そういった方の参考になれば嬉しいです。
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